筋肉がつくメカニズムと栄養
筋肉とは?
4月、春ですね。新年度を迎える方や新たな環境、これから始まる季節にむけて運動を始める方もいらっしゃるのではないでしょうか?筋肉はたくさんの筋繊維という繊維でできており、大小あわせて430種類を超える筋肉が存在しています。そのうち大きく分けて3つの役割の筋肉が存在します。
①骨格筋:運動をするために欠かせない筋肉で急速に運動することもできるが、疲れるのも早い。
②平滑筋:内臓器官の運動に関係する筋肉で、自分の意思で動かしたり止めたりすることは不可能。
③心筋:心臓だけにある筋肉で、自分の意思とは関係なく一生の間、規則正しく動き続ける。
他にも、体温を調節したり血液の循環を助けるなどざまざまな働きを筋肉は担っているのです。
筋肉といえばトレーニング!と思い浮かぶ方は多いのではないでしょうか。筋トレをする要因として、“筋肉を鍛えて大きくしたい”や“筋肉を鍛えて痩せ体質になりたい”、また“体力をつけたい”などと言われますが、これらのメカニズムはご存知でしょうか?筋肉の回復、筋肉に必要な栄養、またその運動や栄養補給のタイミングなどで効果が変わってくるのです。
今回はそのメカニズムと栄養についてお話させていただきます。
正しく筋肉をつけよう
“筋肉を鍛える”、この筋肉に該当するのは先ほどお話した①骨格筋の筋肉です。「筋肉がつく」ということは「筋繊維が強く太くなる」ことを意味します。
~筋肉がつくサイクル~
筋肉を使う(運動をする)
↓
筋繊維が壊れる
↓
筋肉を修復する
↓
壊れた筋繊維が以前より強くなる
このサイクルは一般的に「超回復」と呼ばれており、繰り返すことで筋肉は太く大きくなります。
筋肉痛はこのサイクルで言うと、二つ目の「筋繊維が壊れる」の部分です。筋繊維が切れたり傷つくので、運動や筋トレをした後は身体が痛くなり筋肉痛となります。
筋肉を大きくしたり、筋肉をつけて太りにくくするには、筋肉を使うトレーニングはもちろん欠かせませんが、筋肉を休ませることも大切です。筋肉を休ませている間に、適切な栄養補給をすることで、効率的に筋肉の修復になり、筋肉をつけることに繋がります。
それでは次に、適切な栄養補給についてお話します。
【タンパク質を積極的に摂取する】
身体は一度にたくさんのタンパク質を代謝することはできないため、一日に必要な量を3回の食事でとり入れましょう。18~64歳では男性65g、女性50gがタンパク質の1日の推奨量です。1食あたり、男性は21.7g、女性は16.7gとなります。
※食品におけるタンパク質含有量の一部目安
鶏むね肉100g:23.3g、豚肉100g:20.5g、鮭一切れ(80g):17.8g、卵1つ:7.9g、木綿豆腐1/3丁(100g):7.0g
【動物性タンパク質と植物性タンパク質を組み合わせる】
肉・魚・卵のような動物性タンパク質は必須アミノ酸を多く含む、良質なタンパク質が多い食品となっています。反対に脂質も多いので脂質の過剰摂取にならないよう、大豆製品などの植物性タンパク質も組み合わせて摂取しましょう。
【糖質も適度に、ビタミンやミネラルなども摂り入れバランスよく】
タンパク質を意識しすぎた結果、ビタミン、ミネラルや糖質なども不足してしまう可能性があります。ビタミンの中でも特にビタミンDは、体内のカルシウム吸収を促進して、骨を増強するとともに、筋肉の合成も促進する作用があります。ビタミンDはタンパク質も豊富な魚介類に多く含まれているので、タンパク質と一石二鳥で摂取することができますね。
そして糖質には、筋トレのエネルギー源や筋肉の合成・損傷した筋肉の回復を助ける働きもあります。糖質を摂取することも忘れず、野菜や果物などもしっかり揃えて栄養バランスを整えましょう。
最後に、効果的な栄養補給のタイミングとしてはトレーニング後が良いと言われています。
また就寝中は成長ホルモンの分泌量が増え、超回復が盛んに行われます。動物性タンパク質と比較して、ゆっくりと吸収される植物性タンパク質(大豆製品や穀類)を就寝前に摂取するのも良いですね。
まとめ
筋肉がつくメカニズムと栄養の摂り方はいかがでしたでしょうか。なかなかタンパク質を毎食摂り入れるのが難しいという方はプロテインパウダーやプロテインバーを活用してみるのも一つの方法です。運動や栄養バランスを心がけ、無理のない範囲で体力や筋肉をつけていきましょう!