2024.9.2
管理栄養士

牛乳・乳製品をしっかり摂ろう!!

食生活改善普及運動

厚生労働省では、毎年9月を「食生活改善普及運動」の期間と定めています。その中のテーマに「毎日のくらしwithミルク」として「牛乳・乳製品の摂取習慣の定着」が取り上げられています。
20~30代の若い世代では牛乳・乳製品の摂取率が低く、3人に1人が牛乳・乳製品を摂っていない現状があります。そこに着目して、今回は牛乳の成分や摂取量などについて詳しくお話していきます!

牛乳の成分と摂取量・摂取方法について

牛乳・乳製品は様々な栄養素がバランスよく含まれていることから、「準完全栄養食品」と言われています。
牛乳はカルシウムの供給源とされ、コップ一杯(200ml)で約220mgのカルシウムが含まれています。そして、カルシウム吸収率が50%と野菜や小魚など他の食品に比べて高いのも特徴です。
また牛乳のたんぱく質は必須アミノ酸をバランスよく含み、消化吸収されやすく、ビタミンAやビタミンB2などのビタミンや毎日のエネルギー源となる脂質や炭水化物も含まれており、栄養バランスが優れた食品と言えます。
乳糖と呼ばれる牛乳の糖質は、エネルギー源となるだけではなく、カルシウムの吸収を助けたり、腸内の善玉菌の働きを活発にしてくれます。

【摂取量】

牛乳・乳製品に多く含まれているカルシウムの1日の推奨量は、成人男性700~800mg、女性650mgとされています。そのため、コップ一杯の牛乳(200ml)を飲むことで、1日に推奨されている1/3のカルシウム(約220mg)を補給することができます。
牛乳が苦手な方はコーヒーやココアを入れて飲んだり、牛乳を使用した料理(シチュー、グラタン等)や、ヨーグルトやチーズ等の乳製品から摂取することもおすすめです。乳糖を体質的に分解できずに下痢を起こす乳糖不耐症の場合には、牛乳を温めてから飲む、あるいは市販で売られている専用の牛乳を利用する方法があります。
一方で、牛乳・乳製品を多く摂りすぎるとエネルギーの過剰摂取にもつながるため、肥満が気になる方は低脂肪のものを利用するなどの工夫も大切です。

【牛乳を飲むタイミング】

基本的にはいつ飲んでも良いですが、さらに目的に合わせたタイミングで摂ることもできます。

<朝>
睡眠ホルモンといわれるメラトニンは乳たんぱく質から生成されます。そのため、朝摂取することで夜にメラトニンが十分に供給され、眠りにつきやすくなり、睡眠を改善する可能性があります。
<運動後>
乳たんぱく質には筋肉の回復に必要なアミノ酸が多く含まれ、運動後に飲むとよいとされています。また、汗で失われた電解質を補えるため、熱中症の予防にもなります。
<夜>
骨は常に入れ替わっており、骨へのカルシウム沈着は夜が優位になります。そのため、夜に牛乳を飲むと、牛乳に含まれるたんぱく質やカルシウム等が骨の形成に役立ちます。

また、睡眠中は成長ホルモンが出るため、子どもは成長、大人は疲労回復の時間になります。たんぱく質やビタミンB1を含む牛乳を飲むのがおすすめです。

まとめ

いかがでしたか?牛乳・乳製品を意識して摂取する習慣を心がけてみてください。今回ご紹介したことを生活に取り入れていただき、丈夫な骨を保ちましょう!

◆コラムを書いたのは…
管理栄養士
白迫 莉奈
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