2025.4.18
管理栄養士

健康診断の結果のお話~脂質異常症~

脂質異常症って?

『最近、健康診断でコレステロール値や中性脂肪値が気になった…』なんてことはありませんか?もしかしたらそれは、「脂質異常症」のサインかもしれません!
今回は脂質異常症について知っておきたい基本情報をお届け致します!
脂質異常症とは血液中の脂質(脂肪)が正常範囲より多すぎたり、少なすぎたりする状態の事を言います。脂質は体にとって大事なエネルギー源ですが、異常な状態が続くと動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などの病気につながるリスクが高まります。
今回は、どうして脂質異常症になってしまうのか。その原因について詳しくお話ししていきます。

どうしてなるの?「脂質異常症」

【脂質の種類】

まず、血液中の脂質には大きく分けて3種類あります。これらが多すぎたり少なすぎたりすることで脂質異常症になります。

①LDLコレステロール(悪玉コレステロール)
 脂質異常症の診断基準値:140/dl以上

細胞にコレステロールを運ぶ働きをしています。細胞膜やホルモンを作るのに必要な成分です。
多すぎると血管内に溜まってしまい、動脈硬化の危険性が高くなります。(高LDLコレステロール血症)

②HDLコレステロール(善玉コレステロール)
 脂質異常症の診断基準値:40㎎/dl以下

血管に溜まった余分なコレステロールを掃除してくれます。動脈硬化を予防してくれる成分です。
少なすぎると、血管内のコレステロールを掃除する力が弱くなります。(低HDLコレステロール血症)

③中性脂肪(トリグリセリド)
 脂質異常症の診断基準値:150㎎/dl以上

食事から摂取したエネルギーのうち、吸収しきれなかったものが中性脂肪として蓄えられます。
多すぎると脂肪として蓄えられ、血液をドロドロにしてしまいます。(高トリグリセリド血症)

この3種類が脂質異常症の診断基準数値に1つでも該当していれば脂質異常症と診断されます。

【脂質異常症になってしまう原因】

①生活習慣

食生活の乱れ:脂質や炭水化物の多い食品はコレステロール増加につながります。また、野菜が不足しているとコレステロールの排出がスムーズにできなくなります。
運動不足:運動不足は脂質代謝が悪くなり、LDLコレステロールや中性脂肪が増えやすくなります。
過剰な飲酒:アルコールを取りすぎると中性脂肪増加につながります。

②遺伝的要因

家族性高コレステロール血症:遺伝によってLDLコレステロール値が高くなる病気です。心筋梗塞や狭心症など、動脈硬化による病気との関連が強くなります。

③病気による影響

糖尿病、肝臓病、腎臓病により脂質の代謝がうまくいかず、脂質異常症になりやすいです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は脂質異常症とその原因についてお話してきました。
脂質異常症は日常生活上だと気づきにくい病気です。しかし、日々の習慣を少し変えるだけで予防することができる病気でもあります。
次回は、脂質異常症を予防する方法についてお話していきます。

◆コラムを書いたのは…
管理栄養士
渡邉 翠
LINEで送る

コラム一覧へ