2024.12.4
管理栄養士

寒い冬にも水を飲もう!

かくれ脱水とは

寒さが一段と厳しくなってまいりました。手足や体の冷えが気になるこの時期、水分補給をつい忘れがちになっていませんか?
冬は汗をかかなくなり喉の渇きを感じにくいので水分摂取が少なくなります。しかし、冬は空気が乾燥し、皮膚から気づかないうちに水分が蒸発するため、自覚のないまま脱水症状になってしまいます。これが「かくれ脱水」です。
冬に脳梗塞や心筋梗塞が多いのは、のどの渇きを感じにくく、水分を摂取せず血液が濃くなり血管がつまりやすくなる為です。かくれ脱水は健康障害のリスク要因にもなってしまうため注意が必要です。
今回はかくれ脱水の予防について詳しくお話していきます。

かくれ脱水チェックと水分のとり方について

こんな症状はありませんか?

□肌が乾燥してかさつきが気になる
□口の中がねばつく
□便秘
□疲労感、集中力の低下、めまい
□尿の色が普段より濃い色 
□手の甲の皮膚を指でつかんでパッと放したときに、もとに戻るまで2秒以上かかる

思い当たる症状がみられる際には、水分補給を心がけ症状悪化を防止していくことが重要です。
水分補給は冬の風邪予防にもつながります。粘膜の水分不足はウイルスや細菌が侵入されやすくなり、風邪を引き起こしてしまいます。
水分補給は喉や鼻の粘膜を潤してウイルスの侵入を防ぎ、侵入したウイルスを痰や鼻水によって体外に排出する作用を助けます。冬はノロウイルスなど感染症も流行するため、水分はしっかりと摂取しましょう。

ここでかくれ脱水予防のポイント2つご紹介します。
1つ目は、水の飲み方についてです。
人間は1日に2.5ℓの水が失われます。食事からとる水分や、体内で代謝によりできる水の量は1.3ℓなので、約1.2ℓは意識して水を飲まないと脱水になってしまうのです。のどの渇きを感じる前に水分を意識して、少量ずつこまめにとることが重要です。
水分が不足しやすい就寝前後、スポーツ前後、飲酒中、飲酒後、枕元に水分をおいて就寝することも重要です。多くの方で水分摂取は不足していますが、平均的にコップの水をあと2杯飲めば、1日に必要な水の量をおおむね確保できると言われています。のどが渇きにくい冬にも、目覚めの1杯、寝る前の1杯など、あと2杯水を飲む習慣をつけるところから始めてみましょう!


2つ目は、食事についてです。
欠食は水分不足の要因につながります。3食バランスの良い食事を心がけましょう。
また、「冬といったらこたつでみかん」のように果物や、野菜には水分が豊富に含まれています。その他、ハーブティーやスープなど温かい飲み物は、体を温めつつ水分を補給できるのでおすすめです。
ただし、スープなど汁物には塩分が含まれるので1日1杯程度にしましょう。また、カフェインやアルコールは利尿作用があるため、コーヒーやお酒のとりすぎには注意しましょう。

まとめ

いかがでしたか? 多くの方が、脱水は夏に発症するものというイメージが強かったのではないでしょうか?
夏よりもさらに意識的な水分補給をとり、今回ご紹介したかくれ脱水予防のポイントを意識して、寒い冬も元気に乗り越えましょう!

◆コラムを書いたのは…
管理栄養士
土路生 有衣
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