2021.12.28
薬剤師

薬剤師直伝!
ちいさな子どもに
上手にお薬を飲ませるコツ

★はじめまして。私は、ウェルネス薬局薬剤師の中福です。薬剤師になって早15年以上。薬剤師として、医療人として、女性として、母としてみなさまに何かお役に立てる情報がお伝えできればと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

暦の上では「春」になってきましたが、まだまだ寒い日が続いています。皆様いかがお過ごしでしょうか?

さて、体調をくずした小さな子供に薬を飲ませたり、使ったりするときに上手にいかなかったことはありませんか?正しく使うことができなければ、せっかくのお薬も効果が十分に発揮することができません。保護者の方がお薬の使い方を十分理解していただくことが、お子様自身がお薬を上手に使えるようになるための第一歩となります。今日は薬局の現場でよく聞かれる質問から「上手にお薬を飲ませるコツ」をお伝えします。

〇お薬を飲ませるタイミング

【新生児・乳児期】まだまだ食事のタイミングも取れない時期、1日3回のくすりは、おおよそ朝・昼・夕の4~6時間間隔で、授乳時などに合わせて飲ませましょう。このときミルクに溶かして飲ませるのはミルク嫌いになる可能性もあるためお勧めしません。

【幼児】1日2回の薬は、朝と夕の食事のタイミングを目安に。1日3回の薬は起きている時間を3等分にして飲ませましょう。保育園や幼稚園などの事情により昼に飲めない場合は、行く前・帰宅後・寝る前などのように3回飲ませてあげても良いでしょう。保育園などの帰りが遅いなどで時間が合わない場合は、1日2回飲ませれば良い薬もあるので医師に相談してみてください。

授乳後や食後だと、おなかがいっぱいでお薬が飲めなかったり、食べ物と一緒に吐いてしまうこともあります。子供の薬は、空腹時に飲んでも薬の効果や副作用に影響がある薬は少ないです。おすすめは食事の前に飲ませてあげることです。また食事がとれない場合も薬は飲ませてあげましょう。その薬が食事の影響を受けるかどうかはかかりつけの医師や薬剤師に確認することが大切です。

〇粉薬の飲ませ方

【新生児・乳児】小さな容器の中に粉薬をあけ、数滴の水を加えてペースト状に練ります。それを団子状にして口の中に塗り付けます。舌の上だと苦みを感じるため避けましょう。その後は薬が口の中に残らないように飲み物を飲ませます

また加える水分をもう少し増やしてシロップ状(液状)にしても良いです。溶かした薬をスプーンやスポイト・哺乳瓶の乳首を使用して飲ませます。

【乳児】粉薬に少量の水を加えて溶かし飲ませます。容器は小さくし、飲み切れる量の水分で溶かすことがポイントです。

〇お薬が苦手な子供には

【オブラート】最近ではイチゴやブドウの味のオブラートも販売されています。粉薬をオブラートに包んで飲ませてあげても良いでしょう。そのさい、口の中にくっつきやすくなるためオブラートの外側を水でぬらし、とろみを出してあげると飲みやすくなります。

【服薬補助ゼリー】ゼリーにお薬を混ぜるのではなく、ゼリーの上にお薬を置いてさらにその上からゼリーで乗せ包むようにして飲ませます。

この時、抗生剤の一部に、服薬補助ゼリーの味の種類によっては苦みを感じやすくなるものもあります。お薬ごとの飲み合わせについて気になる場合は薬剤師に相談して下さい。

★まとめ(ワンポイントアドバイス)

◎薬は決められた量をきちんと飲んでほしいので、溶かす水分量は必ず飲み切れる量にしましょう。

◎飲み物や食べ物に薬を混ぜる場合は、混ぜているところを子供に見えないようにしましょう。その飲み物や食べ物を見ただけで薬が混ざっていると思い、嫌いになってしまうこともあります。

◎上手に飲めたら沢山ほめてあげましょう!褒められると子供は嬉しくなり、薬に対しての抵抗感も少なくなります。

 

◆コラムを書いたのは…
薬剤師
中福
笑顔は健康の秘訣!笑う門には福来る~!
LINEで送る

コラム一覧へ