2022.12.30
管理栄養士

春の七草全部言えるかな?

七草粥って何?

お餅やお雑煮、おせち料理など…新年を迎えて気分も上がり、お正月はついつい食べ過ぎちゃいますよね。いつもよりたくさん食べて、お腹がもたれてしんどいなぁ…という事はありませんか?
1月7日の朝は、新年の無病息災を願って七草粥を食べる日です。中国では、古来より新年の7日を「人日(じんじつ)の節句」とし、7種の若菜を使用した汁物を食べる習慣がありました。
また日本では、奈良時代から正月に若菜を摘んでお粥にして食べる習慣があり、これらの風習が合わさったのが七草粥の由来と言われています。実は七草は「日本のハーブ」と言われるほど高い効能を持ち、それらを使用した七草粥は疲れた胃腸を回復させる、とても身体に良い行事食なんです!

七草の主な成分

春の七草とは7つの野草のことを指します。下の画像の左から順に「せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ」と言います。昔学校の授業で聞いた事ある方が多いと思います。

①せり(芹)
「食べると競り(せり)勝つことができる」という縁起物です。鉄分やビタミンC、ミネラル、食物繊維などを豊富に含み、貧血予防に効果が期待できます。

②なずな(薺)
別名はぺんぺん草と言われ、「撫でて穢れ(けがれ)を取り除く」とされています。ビタミンB1、B2、ミネラル、食物繊維が豊富に含まれ、高血圧の予防や止血作用、整腸作用があります。

③ごぎょう(御形)
ごぎょう(御形)とは「仏様の身体」という意味を持つ縁起物です。利尿作用や鎮咳作用があり、風邪や気管支炎にも良いと言われています。

④はこべら(繁縷
「繁」という漢字には「子孫繁栄」の願いが込められています。たんぱく質やカルシウム、鉄などのミネラルを豊富に含み、止血作用や整腸作用があります。実は汁の部分は天然の歯磨き粉としても使えるそうです。

⑤ほとけのざ(仏の座)
仏様が座る「安座(あんざ)」に似ていることから縁起が良いとされています。胃腸の働きを整え、高血圧の予防にも効果が期待できます。

⑥すずな(菘)
別名は「かぶ」で、「すず」という字が入っていることから「神様を呼ぶ鈴」という由来があります。葉はカロテンやビタミンC、E、ミネラル、食物繊維が豊富に含まれています。根はカリウムやビタミン、食物繊維のほか、消化を助けてくれるアミラーゼ(でんぷん分解酵素)を含み、胃もたれや胸やけを防ぎます。

⑦すずしろ(蘿蔔)
別名は「大根」で、白い見た目から「潔白」というイメージがあり、縁起の良い野菜とされています。胃腸の働きを助ける酵素が豊富に含まれています。

お塩だけのシンプルな味付けでも美味しいですが、お粥を炊く際に中華だしやごま油で味付けすることで七草の苦みをカバーし食べやすくなります。また卵やささみなどの具材を加えることで、手軽にたんぱく質を摂ることができますよ!
皆様もぜひ試してみてください♪

まとめ

七草粥は身体に良いだけでなく、昔の人の願いが込められている事がお分かり頂けたと思います。
年末年始で疲れた胃腸を労り、無病息災を願って今年1年頑張りましょう!

◆コラムを書いたのは…
管理栄養士
小林 みずき
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