2024.4.1
管理栄養士

知っているけど知らない??葉酸のおはなし

葉酸について

4/3は葉酸の日です!葉酸ってよく聞くけどあまり知らないな…というそこの貴方!これを機に葉酸について詳しく学んでみてはいかがでしょうか!
まず、葉酸とはビタミンB群の一種に分類される必須栄養素なんです。したがって、食べ物から葉酸を必要量摂らないと不足し、やがて欠乏状態になってしまいます。
葉酸の働きは多岐にわたり、たんぱく質の合成や、細胞の遺伝情報が詰まっている核酸(DNA、RNA)や赤血球の合成に補酵素として働き、体の発育を促します。
では葉酸が不足・欠乏するとどうなってしまうのでしょうか??葉酸が不足すると成人では貧血が起きやすくなったり、神経症状、例えば足のしびれや腱反射の消失、舌のしびれや味覚異常などが現れやすくなります。
また、妊娠中の方や妊娠を計画されている方では、妊娠前から葉酸が不足しないように心がけることが大切です。
今回は妊娠中・妊娠を計画されている方などの、葉酸を通常よりも必要となる方を中心に葉酸の重要性をお伝えしたいと思います。

葉酸を摂ることのメリット

まず、葉酸の一日の摂取の推奨量は18歳以上の男女ともに240㎍とされています。妊娠を計画している、あるいは妊娠中の女性は一日240㎍の追加摂取が推奨されています。
葉酸は緑黄色野菜や果物など身近な食品に含まれています。

そして調理方法にもポイントがあります。葉酸は水溶性の為、水にさらしたりゆでたりすると溶け出してしまいます。効率よく葉酸を摂取するために炒めるなど水を使わない調理法がおすすめです。このように一般の食品からも葉酸を摂取することは可能ですが、すべてを補うことは難しいため、サプリメントや栄養補助剤などで葉酸を摂取することが推奨されています。

これだけは知っておいて欲しい!神経管閉鎖障害について

神経管閉鎖障害とは赤ちゃんの先天性異常の一つで、日本では1万人に5~6人が神経管閉鎖障害で生まれてきているとされている珍しくない障害です。妊娠初期の細胞増殖が盛んな時期に、脳や脊髄などが作られる過程で多く作られる神経管は、葉酸が不足するとうまく作られないため、神経管閉鎖障害のリスクが高まります。葉酸が不足し、神経管閉鎖障害なった胎児は死産になったり、生まれてきた赤ちゃんの歩行や排尿に障害が生じてしまうことがあります。
つまり妊娠する1か月以上前から妊娠3ヶ月くらいまでが葉酸が特に必要な時期と考えられています。
さらに葉酸をサプリメントなどで摂り始めてから、血液中の葉酸濃度が安定するまでに8週間ほどかかるとされています。希望の出産時期などがある方はこの点も考慮すると良いでしょう。

摂りすぎ注意!

一方、摂りすぎにも注意が必要です。通常の食事をしている場合は、過剰摂取による健康障害の心配はまずありません。しかし、サプリメントや栄養補助剤を用いた場合は耐容上限量を超えてしまう場合があり、過剰摂取による健康被害報告も多々あります。葉酸は適正量をしっかり把握したうえで摂取することが大切です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?妊娠を希望するすべての女性にとって葉酸の摂取量を気にかけることは大切です。
健康なうちに食生活を振り返ってみて、葉酸が足りていないかもと思った方は、食べるものに気を付けたり、サプリメントを利用して不足を補いましょう。

 

◆コラムを書いたのは…
管理栄養士
藤原 泰成
LINEで送る

コラム一覧へ