2025.11.15
管理栄養士

食事で乾燥対策!

11月12日は「皮膚の日」

11月12日は「皮膚の日」です。これは日本臨床皮膚科医会が1989年に「いい(11月)ひふ(12日)」の語呂合わせで制定しました。皮膚科医院、病院、保健所などでポスターを見かけたことがある方もおられるのではないでしょうか。
寒くなってくると、湿度が低下し空気が乾燥することで、肌の水分保持力が低下して肌が乾燥します。肌が乾燥しやすくなることで特に秋、冬は肌トラブルが増える時期になります。
今回は「皮膚の日」にちなんで、食事でできる乾燥対策を学んでいきましょう!

乾燥対策に効果的な栄養素

食事から摂る栄養素は、血液中に取り込まれて全身に運ばれ、肌の健康に役立ちます。そのため、乾燥対策には食事の栄養バランスが大切です。
意識して摂りたい栄養素とその栄養素を含む食べ物を紹介します。

まずは「ビタミン」です。
ビタミンは肌を健康に保つ上で重要な栄養素です。体内では充分に合成できないため食べ物やサプリメントで摂る必要があります。その中でも特に肌に関わるビタミンを紹介します。

①ビタミンA

皮膚や粘膜を正常に保つ栄養素です。
(例)にんじん、かぼちゃ、レバー、うなぎ、卵黄

②ビタミンE

肌の酸化によるダメージを防止し、皮膚の酸化を防ぐ抗酸化作用の働きがあります。
血行促進の働きもあり、肌に必要な栄養を行きわたらせるのをサポートします。
(例)さば、アボカド、ナッツ類

ビタミンA・Eは脂溶性ビタミンといい、脂質と一緒に摂ると吸収されやすくなります。油を使って炒めたり、揚げたりして調理することがおすすめです♪

③ビタミンB群

皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。
(例)ビタミンB2:うなぎ、牛乳
       ビタミンB6:魚介類、鶏肉、バナナ

④ビタミンC

皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに抗酸化作用を持つ栄養素です。
また肌のハリをキープするにはコラーゲンが必要ですが、ビタミンCはコラーゲンの生成をサポートする役割があります。
(例)ピーマン類、ブロッコリー、いちご、オレンジ

ビタミンB群・ビタミンCは水溶性ビタミンといい、熱に弱く水に溶けやすいです。
食べ物から摂取する際は生で食べられる果物や野菜から摂る、調理する際は汁ごと食べられる汁物にするか、レンジで調理することがおすすめです♪

次に、「たんぱく質」です。
肌はたんぱく質から作られています。不足すると肌の乾燥の原因になります。
肌にハリを与えるコラーゲンはたんぱく質の一種です。コラーゲンが不足すれば、肌のハリが失われてしまい、シワや肌荒れの原因になります。
(例)肉類、魚介類、乳製品、卵、大豆・大豆製品

次に、「必須脂肪酸(オメガ3、オメガ6)」です。
肌のバリア機能を保ち、水分の蒸発を防ぐはたらきをします。
(例)オメガ3:青魚(サバ、いわし、さんま)、亜麻仁油
       オメガ6:ごま油、大豆油、ひまわり油(摂りすぎは注意!)

最後に避けたい食べ物を紹介します。
①ファーストフード
糖質や脂質が多く皮脂の過剰分泌や炎症、肌の酸化がおこります。肌に必要なビタミンやミネラルが少ない傾向にあります。
②香辛料が多いもの
大量に摂取して発汗することで、体内の水分量や皮脂の分泌のバランスが崩れて、乾燥や肌荒れの原因になることもあります。
③コーヒーや緑茶
カフェインは利尿作用があり、体内の水分を排出するため、過剰摂取には注意しましょう。

まとめ

いかがでしたか。肌に必要な栄養素は様々あります。
メディアで「美容に良い」と紹介される食べ物がありますが、食べ物の種類が偏ると、栄養素も偏ってしまいます。
同じものばかり食べるのは避け、たんぱく質を基本に様々な色の野菜や魚などを組み合わせることが大切です。食事のポイントに気をつけて健康な肌を目指しましょう!

◆コラムを書いたのは…
管理栄養士
藤井 玲圭
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