2022.12.1
管理栄養士

血糖のお話(最終回)~運動編~

血糖値の改善、運動は何をしたら良い??

前回までの高血糖のお話では、食事のポイントについてご紹介してきました。
食事の見直しも大切ですが、「食事を頑張っていてもなかなか改善しない」という事もあると思います。血糖値の改善や高血糖予防の為には、食事だけでなく運動習慣も大切になります。

糖尿病の多くは遺伝的要因に加えて、食べ過ぎ・野菜不足等の食習慣や運動習慣などの生活習慣の積み重ねが主な原因になっています。テレビやインターネットの普及、車や電車などの交通手段の普及により運動する環境が少なくなっているので、意識して運動を生活に取り入れる事が大切です。

運動をすることで、筋肉が使われその筋肉が糖や脂肪酸の利用を促進させる為、血糖コントロールの改善や脂質代謝の改善に繋がります。また、血圧や心肺機能の改善にも繋がるので、健康な身体作りには運動は欠かせない習慣になります。今回は、「どんな運動をどのくらいすれば良いの・・・?」という運動のポイントについてお話ししていきます!

血糖値改善・高血糖予防のための運動習慣を知ろう★

血糖コントロールを改善する運動として、『有酸素運動』と『レジスタンス運動』が推奨されています。

『有酸素運動』とは、ウォーキングやジョギング、水泳や自転車など出来るだけ大きな筋肉を使ってする運動の事を言います。
反対に『レジスタンス運動』とは、腹筋や腕立て、スクワットなどの筋肉に抵抗をかける動作を繰り返し行う運動の事です。

血糖値改善には、どちらかの運動をするより組み合わせて生活に取り入れる事がおすすめです。
では、実際に「どんな運動をどのくらいすれば良いの・・・?」と思われますよね。ここからはさらに詳しくお話ししていきます!

【有酸素運動】
目安:毎日(少なくとも週3~5回)、1回につき20~60分
可能であれば、毎日の生活に取り入れる事が理想です。
ただし、継続して実施する事が大事なので最初は週に3回~始めるなど無理のない範囲で取り入れてみましょう。ウォーキングだと、1回30分程度を1日の中に取り入れることがおすすめです。日常生活での歩行と合わせて、1日1万歩が目標になります。また、正しいウォーキングの姿勢で実施する事でより効果を高める事ができます。
正しい姿勢のポイントとしては、
①背筋を伸ばす
②やや大股で歩く
③ひざを伸ばしてかかとから着地する
このポイントを意識して軽く腕を振りながら歩くようにしましょう。少し汗ばむ程度が目安です。

【レジスタンス運動】
目安:週2~3回、1セット10回×1~3セット
筋肉に負荷をかける運動を繰り返し行う運動で、有酸素運動と一緒に生活に取り入れる事がおすすめです。筋肉を増やす事で、より血糖や脂肪を筋肉の中に取り込み血糖値が下がりやすくなります。運動としては、足や腰・背中の大きな筋肉を中心に、全身の筋肉を使って1セット10回程度の筋トレを行う事がおススメです
筋トレに関しては、こちらのコラムでもご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
運動の秋到来!簡単筋トレでシェイプアップ!
レジスタンス運動は筋肉の回復の時間が必要です。毎日ではなく2~3日に1回位で継続して行う事が大切です。
まずは無理のない回数から始めてみましょう。

まとめ

今回のコラムでは高血糖シリーズの最終回として運動習慣についてご紹介しました!寒さも本格的な季節になり、なかなか運動を始めるのは・・・という気持ちになりますが、まずは無理の無い範囲から少しずつ生活に取り入れてみましょう!また、運動も強度が強すぎると心臓や血管に負担をかける事があります。始める際には、頻度や強度などをかかりつけの医師に確認してから、始めるようにしましょう。

◆コラムを書いたのは…
管理栄養士
山本 果奈
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