2025.3.14
管理栄養士

骨粗鬆症について考えよう!

「女性の健康週間」って?

突然ですが、『女性の健康週間』があることをご存じでしょうか?
女性は、女性ホルモンが変化したり、結婚・出産等で環境が変化するなど、ライフステージ毎に心身の状況が変化する特性があります。このことを踏まえ、毎年3/1~3/8を『女性の健康週間』とし、女性の健康課題への取組を実施しています。
その中でも、近年注目されている項目として、「骨粗鬆症予防」があります。
骨粗鬆症とは、骨密度が低下し、骨が脆くなってしまう病気のことです。骨密度が低下するとは、骨の中がスカスカになってしまうイメージです。軽く転倒しただけでも骨折しやすくなってしまいます。高齢になってから骨折してしまうと、場合によっては寝たきりになってしまうこともあります。
骨粗鬆症は特に女性が発症しやすく、どうして男性より女性なの?と思う方もいると思います。女性と骨の関係を一緒に見ていきましょう!

女性と骨の関係とは?

女性にとって骨粗鬆症予防が大切だとされる理由を2つご紹介します。

①女性ホルモンの影響

まず、私たちの身体の中では「骨形成」という骨を作る働きがあります。この骨形成を手伝ってくれるのが、エストロゲンと呼ばれる女性ホルモンです。
エストロゲンは月経が始まる10代頃から増加します。エストロゲンの働きにより骨がしっかり作られるようになるため、骨密度も増加していきます。
エストロゲンがある女性は骨密度は低下しないのでは?と思う方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、50歳前後に閉経を迎えた途端、エストロゲンは低下してしまい、骨形成が抑制されてしまうのです。女性は男性よりもホルモンの影響を受けることから、骨粗鬆症になりやすいことがわかります。

②過度なダイエットによる影響

若いうちは骨も作られるから大丈夫と思っている方は少なくないのではないでしょうか?実は、20~30代で発症する人もいます。
その原因が過度なダイエットによるものです。ダイエットが原因となり、骨に悪影響を与える点が大きく3つあります。
〇女性ホルモンの分泌が低下
急激に痩せることにより、卵巣の働きが悪くなります。卵巣で分泌されるエストロゲンの量が減少するため、骨密度の低下に繋がります。
〇体重減少によって、骨への負荷が減少
骨には適度な負荷がかかると、かかった負荷に負けないように自分で自分を強くする仕組みがあり、体重が少なすぎると、この仕組みが上手く働かなくなるため、骨が弱くなってしまいます。
〇食事バランスの乱れ
欠食や偏りのある食事をすることで、骨を作るために必要な栄養が不足してしまいます。骨を丈夫にする栄養素として、カルシウムを知っている方が多いと思います。
カルシウムの1日の推奨量は、成人女性650mgとされています。しかし、カルシウムの摂取状況は、女性480mg(国民健康・栄養調査2023年)となっており、推奨量より下回っていることが分かります。過度なダイエットをするとどうしても必要な栄養素を摂取することが難しく、元々不足しがちなカルシウムはさらに不足してしまいます。
このように年齢に関係なく、骨密度が低下すると骨粗鬆症を発症し、骨折しやすい身体になってしまいます。

まとめ

女性が骨粗鬆症になりやすい理由が分かりましたね。
骨粗鬆症予防には、カルシウムを摂取することはもちろん、適度な運動で骨に刺激を与えることも大切です。カルシウムは牛乳・乳製品の他、野菜や小魚にも多く含まれています。
いつまでも健康に過ごしたい・・・そのためにも様々な食品を食べて、丈夫な骨を作っていきましょう!

◆コラムを書いたのは…
管理栄養士
松原 志穂
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