2023.12.1
管理栄養士

油断は禁物!冬にも多い食中毒!

冬場も食中毒に要注意

さまざまな原因によって引き起こされる食中毒ですが、そのほとんどは細菌性とウイルス性です。細菌は高温多湿を好んで増殖するため、細菌性食中毒は、梅雨や夏の時期に多く発生します。
一方、ウイルス性食中毒は冬場に増加。低温や乾燥した場所で長く生きることができるウイルスは、寒い冬が大好きです。中でも、最も多いのが「ノロウイルス」による食中毒です!このウイルスは感染力がとても強く、感染規模が拡大することも多いため、発生件数もダントツなのです。
ちなみに、ノロウイルスによる食中毒は、年間の食中毒患者数の半分以上を占めています。

予防のポイント

冬の食中毒は、原因となるウイルスが食べ物に付着し、体内へ侵入することによって発生します。ウイルスを食品に「つけない」を確実に実行するためには、調理者はもちろんのこと、調理器具、調理環境などの調理場全体がウイルスに汚染されていないことがきわめて重要になります。
そのようなウイルスに汚染されていない調理環境をつくるには、調理場内にウイルスを「持ち込まない」、仮に持ち込んだとしても、それを「ひろげない」ことが大切です。

ウイルスによる食中毒を予防するためには、
・ウイルスを調理場内に「持ち込まない」
・食べ物や調理器具にウイルスを「ひろげない」
・食べ物にウイルスを「つけない」
・付着してしまったウイルスを加熱して「やっつける」 
 という4つのことがポイントとなります。

手洗いは食中毒予防の基本です。家に帰った時、調理するとき、食事をするときなど正しい手洗いを心掛け食中毒を防ぎましょう。
また細菌やウイルスの消毒に効果抜群のアルコールですが、ノロウイルスに関してはアルコールの消毒では効果がないことがわかっています。ふきんやまな板、調理器具などは洗浄後に煮沸消毒をするか、塩素消毒液を使うことが有効です。

また冬場はカレーやシチュー、煮込み料理など大量に作って何日かに分けて食べることも多いと思います。そんな時は「ウェルシュ菌」に注意が必要です。高温で加熱しても死滅しない性質を持っています。
できるだけ早く食べきるようにすることが1番ですが、大量に作った料理を保存する場合は常温のまま放置しないように注意しましょう。保存する際は、短い時間で増殖しない温度まで下がるよう、一度に食べきれる量に小分けし、冷蔵庫で保存してください。
低温保存したものを再加熱して食べる場合、鍋底まで空気を入れながらしっかりかき混ぜ、中心部までじゅうぶん温めましょう。

まとめ

食中毒は簡単な予防方法をきちんと守れば予防できます!
それでも、もし、お腹が痛くなったり、下痢をしたり、気持ちが悪くなったりしたら、お医者さんに相談しましょう。

◆コラムを書いたのは…
管理栄養士
稲垣 紫穂
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