2024.5.2
管理栄養士

皆さんの胃は元気に動いていますか?

胃の働きについて

緊張をすると胃が痛くなる…食べすぎて胃がむかむかする…そんな経験をしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
胃は自分の身体の中で一番に不調を感じる臓器です。
胃は、私たちが食べた食べ物を一時的に貯え栄養として吸収しやすい状態にし、他の消化器官へ送り出す働きをしています。また、胃酸があることにより食物についた細菌の殺菌も行っています。この胃酸によって胃が溶けないように、胃の中には薄い粘膜がベール状に覆っています。
「送り出す働き」「殺菌する働き」「胃を守ってくれる働き」この3つがバランスよく保っていないと胃に不調を感じるようになります。
では、胃を健康に保つためにはどうしたら良いのか、学んでいきましょう。

健やかな胃を保つためには?

・1日3食を規則正しく摂りましょう

体調が悪い、食欲が無いからと言って、食事を抜いたりしていませんか?胃液は食べ物が胃に入っていなくても分泌され、空腹の状態が続くと、胃酸により胃が荒れる原因になってしまいます。1日3回同じくらいの量を食べることが大切です。食事を抜くことで、どこかのタイミングで胃酸の量が増えてしまうため、胃への負担が大きくなります。
食事の時間についてですが、夜遅い時間に食べると、睡眠中も消化を続けることになり、胃への負担がさらに大きくなります。さらに、翌日の胃もたれの原因にもなります。夕食は出来れば寝る3時間前、少なくとも2時間前には終わらせて、消化が済んでから就寝しましょう。

・脂肪分が多いものや刺激になるものは控えましょう

脂肪分が多い食事は美味しいものばかりで、ついつい食べ過ぎてしまいますよね。脂肪は消化をするのに時間がかかるため、胃への負担がかかってしまいます。
香辛料や刺激物は胃酸の分泌を促す為、胃の調子が良くないときに食べてしまうとさらに胃を悪化させてしまうので注意しましょう。
コーヒーやお茶に含まれているカフェインも胃酸の分泌を促すため、ノンカフェインのものや水で代用する事もオススメです。
食物繊維や脂肪分が多いと胃で消化しにくいため、胃への負担を感じている時は、できるだけ食物繊維や脂肪分が少ない食品をやわらかく調理したものが適しています。おかゆやうどん、煮魚などの消化に良いものを食べるようにしましょう。その際はミネラルやたんぱく質も不足しやすいため、意識して摂り入れるようにしましょう。

・お酒は出来るだけ控えましょう

お酒の中に入っているアルコールは胃の粘膜を直接刺激します。胃の中のアルコール濃度により胃酸の分泌の促進や低下につながる為、お酒を飲む場合は純アルコール量換算で1日あたり20g程度(ビール5%でロング缶1本500ml)までとし、無理のない程度で飲むようにしましょう。

・しっかりと睡眠をとりましょう

良い睡眠をとることは、自律神経のバランスを整えるために大切となってきます。自律神経のうち、「副交感神経」と呼ばれるリラックスさせる働きをもつ神経は睡眠時に働きます。心身の疲れを解消し、細胞の修復を整えるために必要な時間であるため、1日7時間の睡眠をとるように意識しましょう。

・適度な運動を行いましょう

運動不足が続くと、胃の機能が低下し、胃もたれなどを起こしやすく、食欲の減退します。また、適度な運動はストレス解消につながります。体を動かすことで心臓から血液が送り出され、神経伝達物質が活性化して爽快な気分になります。
まずは散歩やウォーキング、ヨガなど、無理のない範囲で体を動かしてみましょう。

・禁煙を心掛けましょう

煙草を吸うことで血管を収縮させるため、胃の血行が悪くなり胸やけを起こしやすくなります。
また、煙草を吸う人は吸わない人と比較すると、何らかの癌に罹るリスクや消化管潰瘍になるリスクが高くなります。煙草を吸わない人でも受動喫煙で癌になるリスクは高くなるため、できるだけ煙を吸わないように気をつけましょう。
喫煙をされている方で吸わないことがストレスになるという方は、ニコチンが少ないものへ徐々に変えていく、電子タバコに変えるということも一つの方法ですが、禁煙を心掛けましょう。

・ストレス対策をしましょう。

ストレスが増えてくると胃酸が過剰に分泌され、胃の不調へとつながりやすくなります。ストレス解消には入浴をする、音楽を聴くなどの自分にあった解消法を取り入れストレス対策をしましょう。

まとめ

いかがでしたか?普段の生活を工夫する事で胃の不快感などが減ってきます。まずは自分で取り組めそうなことからぜひ始めてみて下さい!

◆コラムを書いたのは…
管理栄養士
山下 佳恵
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