2024.1.2
管理栄養士

高血圧のおはなし ~改善・予防について~

「高血圧」は大きな病気になるリスクを高める

前回(高血圧のおはなし~高血圧って?~)は高血圧の基本的なところをお話させていただきました。「思い当たるところあるな…」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
高血圧を放置しておくと動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞など大きな病気につながるリスクもあります。怖いですよね。
だからこそ日頃から自分のからだの状態を知っておき、大きな病気にならないよう生活習慣を整えておきましょう。
今回は高血圧を改善・予防するためのポイントをお話させていただきます。

高血圧を改善・予防するためのポイント

高血圧を改善・予防するためのポイントは大きく分けて「食事」・「運動」・「生活習慣」の3つに分けられます。

≪食事≫

塩分の摂りすぎは日本人に多く見られる高血圧原因のひとつと言われています。
「日本人の食事摂取基準(2020年)」では、食塩摂取の目標量として成人男性7.5g未満、成人女性6.5g未満とされており、日本高血圧学会では高血圧患者における減塩目標を6.0g未満にすることが推奨されています。
地域や年代で多少バラつきはありますが、実際の日本人の食塩摂取量の平均値が成人男性が10.9g、成人女性が9.3gと目標値を大幅に超えています。
そのため普段から塩分を控えた食事にすることで高血圧の改善に繋がります。でもいざやってみるとなると味気ない食事になってしまわないかな…続けられるかな…と思う方もいるでしょう。ポイントをまとめたので参考にしてみてください。

①調味料は計る・減塩調味料を使う

減塩をするにはまずどれぐらい調味料を使用しているか知ることが大切です。目分量ではなくきちんと計って使うようにしましょう。
しょう油やソースには塩分が多く入っているので、料理にかけるのではなく少量をつけて食べることがおすすめです。
また、最近は減塩された調味料も多く出ているので活用すると同じ味付けでも塩分をカットすることができます。

②酸味の効いた調味料や香辛料、香味野菜を活用する

酸味の効いた調味料や香辛料にはほとんど塩分が含まれておらず、活用することで塩分を控えた食事でもおいしく食べることができます。酢・レモン果汁・こしょう・カレー粉・七味など味のアクセントになっておすすめです。
例えばサラダですと、市販のドレッシングではなくマヨネーズとレモン果汁で和えてコールスローにすると塩分を控えながらもさっぱりおいしく食べられます。
揚げ物をするときには衣にカレー粉を混ぜて使うと食べるときにソースなど付けなくてもしっかりとした味付になり食べ応えがあります。

香味野菜はねぎ・にんにく・しょうが・大葉・みょうがなどを言います。料理に色どりを加えてくれるだけでなく、調味料をたくさん使わなくても味もさらにおいしくしてくれる優秀な食材です。
冷ややっこを食べるときは香味野菜をたっぷり乗せて、さらにしょう油の代わりにポン酢をかけると塩分が大幅にカットできます。ぜひ活用してみてください。

③漬物や汁物の食べる量を減らす

漬物やお味噌汁・スープなどの汁物には塩分が多く含まれています。これらを減らすことも減塩では大切です。
食べる量や頻度を減らしたり、お味噌汁を作る際は具だくさんにして1杯の汁の量を減らすようにしましょう。ラーメンなどのスープも飲み切らずに残すようにしましょう。

④外食や加工食品を控える

加工食品は冷凍食品・レトルト食品・お菓子・缶詰などのことで、日頃から食べている方も多いのではないでしょうか。
外食や加工食品は塩分がどのくらい入っているか分かりづらいものも多く、知らず知らずのうちに塩分を摂りすぎてしまっていることも。
手軽に手に入って便利なものではありますが、食べるときは栄養成分表示を見て入っている塩分の量を確認する、多く摂ってしまっていたら他の食事で調整するなど工夫して取り入れていきましょう。

⑤旬の食材を食べる

旬の食材は栄養価が高く味もいちばんおいしい時期です。薄味でも素材本来の味でおいしく食べられます。
また、夏はからだを冷やしてくれたり冬は逆に温めてくれるなど、からだの調子を整えてくれる作用もあるのでぜひ食事に摂り入れてみてください。

⑥カリウムや食物繊維を摂取する

食事の塩分を減らしていくだけでなく、からだから余分な塩分を出すことも大切です。
カリウムや食物繊維は摂りすぎてしまった塩分をからだの外へ出してくれる作用があります。野菜や果物、いも類、海藻類、きのこ類などに多く含まれています。積極的に摂っていきましょう。

工夫することでおいしく減塩することができます。塩分控えながらも作れるレシピがたくさんあります!ぜひ参考にしてみてください!

≪運動≫

高血圧改善の方法として運動も重要です。特にウォーキングなどの有酸素運動は自律神経のバランスを整え血管を広げやすくしてくれることで血圧が下がる効果があります。
また、肥満による高血圧の方は血圧改善だけでなくダイエットにもつながるので積極的に行いたいですね。
週に3~5回、ややきついぐらいの強度で1日で30分以上行うことが推奨されています。
正しいフォームでウォーキングをすることで効果がしっかり出てくれます。
ウォーキングのポイントをまとめたコラムもぜひ見てみてください!

≪生活習慣≫

飲酒や喫煙などの習慣がある方は控えるようにしましょう。
お酒の飲みすぎは高血圧につながり、一緒に味の濃いおつまみを食べたりすると塩分の摂りすぎになってしまいます。飲む量を少なくする、週に2回は休肝日を設ける、などお酒とは上手に付き合いましょう。
喫煙は毛細血管を細くしてしまい血圧が上がってしまうので気を付けましょう。
その他、ストレスや睡眠不足も原因になるのでしっかり休息も取るようにしましょうね。

まとめ

2回にわたって高血圧のお話をさせていただきました。
高血圧になってしまうには様々な原因がありますが、ポイントを押さえることで改善や予防をすることができます。
今回お話したポイントで「これならできるかも!」と思うものをひとつずつでも取り入れていただき健康的な生活を送っていただきたいです。
気になることがありましたらいつでも店舗にいる管理栄養士にご相談ください。

◆コラムを書いたのは…
管理栄養士
立林 奈菜子
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